北海道寝台特急最終章へ…。(6)

(写真)道内の秋口の天気は周期的だ。曇りとなれば、こういう絵もアリかも?寝台特急「カシオペア」。
室蘭本線 北舟岡にて。2006年9月20日撮影。
EF300㎜ F/2.8LⅢ+Ex.1.4× 1/250sec f:4.5 ISO:400 動体予測機能併用。
道内の秋口の天気は周期的だ。
うまい具合に晴れの日が続けば、朝の寝台特急列車群からいい感じで撮影できるのだが、実際には中々そういかないこともある。
今回紹介する写真は、2006年の秋口に北海道に渡った時に撮影したもの。
この日は、朝方に前線が通過したばっかりで、起きてみたら、雨は上がったものの、風が強くてはっきりしない天気。
「さぁ、困った…。曇りか…。」
となれば、
「空を覆い隠して、晴れたら影が出てダメな場所。」
で撮影するしかない。
以前から考えていた、北舟岡駅の歩道橋上から撮影するアングルで行くことに。
現場に到着したものの、海からの風が強くて肌寒い。しっかり押さえていないと、三脚が飛ばされそうだ。
三脚とレンズをセットして、実際にアングルを固めていく。
時計は7時を過ぎた。間もなく「カシオペア」が通過する。列車接近の放送が鳴る。
やがて、画面左奥からDD重連と「カシオペア」の客車が見えてきた。恐らく編成は直線に載るだろう。
決めていたところからやや手前からピントを追わせて、キリのいいところから切り始めた。
結果はごらんのとおり。
普段あまりこういう絵は撮らないのだが、DD重連が圧縮されて、編成が直線状になった。
ただ、別の意味で、旅客DD重連牽引列車の魅力を伝えられたような気がする。
ここの所、ブログで北海道寝台特急列車の話を中心に書いているのだが、改めて撮った写真を見返すたびに、
「やっぱり、DD星ガマ重連の寝台特急列車が好きなんだなぁ。」
と思ってしまうのである。
北海道定期寝台列車運転終了まであと5か月余り…。
過去のライブラリが中心になってはしまうけど、今まで思いをぶつけてきた写真をできる限り紹介していきたい。
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北海道寝台特急最終章へ…。(5)

(写真)定番では上り列車に被られる恐れがあるため、敢えてこの場所で撮影した。下り「カシオペア」
室蘭本線 大岸にて。2002年10月撮影。
本当は定番で撮りたかったのだけど、直前に上り普通列車があるため、編成後部にかかると、写真としては微妙な感じなるため、敢えて大岸駅のホーム端から狙ったもの。
当時の通過時刻では、日の出からの時間、日の当たる向きを考えても、比較的遮るものが少ない場所での撮影がポイントになる。
フィルムでの撮影時代、特殊な表現等で狙わない限り、この時期が寝台特急列車の撮影の限界だったような気がする。
それだけ、寝台列車の撮影はハードルも高く、撮影できる期間も限られていたような気がする。
逆に、この時期に朝から曇られると、撮影が厳しくなることを覚えている。
この秋は客車自体が検査入場中なので、紅葉と「カシオペア」の組み合わせでの撮影はできない。
となると、こういう姿を撮影できるのも、来年秋?が最後になるのだろうか…。
北海道寝台特急最終章へ…。(4)

(写真)以前、模型メーカーのカタログの巻頭やカメラメーカーの広告で使われた場所で、紅葉と絡めて撮影したかった。
寝台特急「北斗星3号」(当時)
室蘭本線 大岸-豊浦にて。2000年10月撮影。
秋口の撮影と言ったら、やっぱりこの組み合わせだ。
この年の豊浦カーブは、日を追うごとに紅葉の色付きが進み、いい色になっていった。
「一回でいいから、紅葉と寝台特急の組み合わせで撮影したい。」
紅葉と寝台特急と考えると、時間的に「北斗星3号」(当時)と組み合わせるのがよさそうだ。
実際にこの場所に立つと、天気も良くて、紅葉の色も中々いい感じなってきた。
「これならイケる!」
時計は8:50を回り、そろそろ「北斗星3号」が通過する時間だ。
近くの踏切が鳴り出し、やがて遠目からDD重連の爆音とともに「北斗星」の客車が見えてきた。
DDの正面が少し左斜めに向いたところ(ピントを置いたところ)から撮影開始。
撮影が終わり、列車通過後にものすごく満足感があった。
「この場所で撮ってよかった。」
バックの紅葉とDD重連「北斗星」の姿を合わせることができた。
もう、このシーンを撮影できるのも、今期が最後になるだろう。
今まで紅葉時期の寝台列車を撮影した中で、3本指に入るのではないかと思ってしまうのである。
北海道寝台特急最終章へ…。(3)

(写真)この場所もすでに撮れなくなってしまった。
10月下旬。当時の運転時刻では、下り「トワイライト」はここら辺が限界か?
室蘭本線 有珠-長和にて。2000年10月撮影。
来春、定期寝台特急列車終焉へ向けてのカウントダウンが始まった。
現在の運転時刻に変更されたのが、2008年春の改正からだったと記憶している。
今のダイヤになってからは、冬至後1か月くらいを除いて、ほぼ撮影できるようになったことだ。
しかし、これ以前は、本輪西以西で寝台特急を撮影するとなったら、日の長さを考えると、10月下旬辺りまでが限界で、年明けは3月まで待たなければならなかった。
今日紹介する写真を撮影したのは、今から約14年ほど前の10月。
当時、まだデジタル一眼レフカメラは主流ではなかった。
ポジフィルムで寝台特急を撮影しようと考えたら、撮影時期や列車の通過時間を加味して撮影場所を検討しなければならなかったのだ。
ましてや、夜明け前後や日没前後の通過となれば、さらに表現の仕方等も含めて、工夫をしなければならなかったのだ。
今やデジタルになり、そういう点でテクノロジーの進歩には感謝することしきりなのである。
この日も朝から晴れたが、10月の下旬。朝晩は本当に寒かったのを覚えている。
場所は、昔長和駅近くにあった踏切の横のところ。この場所は踏切廃止までホントよく通った場所の一つだ。
6時45分過ぎに1列車が通過して、時計は6時50分を過ぎた。間もなく「トワイライトエクスプレス」がやってくる。
やがて、近くの踏切が鳴り出した。遠目からDD重連の後に深緑色の客車が見えた。「トワイライト」だ。
ピントを合わせたところからシャッターを切った。
結果は、晩秋の朝日を受けて走るDD51、そして「トワイライトエクスプレス」第3編成とわかる写真になった。
ここでも、前ソが1006号機。本当にこの機番には撮影に行くたびよくお目にかかった。
10月下旬、大気も安定してきて朝から晴れれば、道南でも紅葉がきれいになってくる頃に寝台特急と組み合わせて撮影できるのが良かったりもするのです。
もう、そんな組み合わせも、終わりが近いと思うと、残念でならない。
tag : トワイライトエクスプレス DD51
JR貨物北海道支社で唯一生き残ったDD511150号機(3)

(写真)秋口午後の撮影は、DD51牽引のジャガイモ臨貨8050列車(当時:現8054列車)が撮影できることだ。
室蘭本線 礼文-小幌にて。2003年10月撮影。
実家のライブラリを探していたら、秋口に設定のあるジャガイモ臨貨牽引の1150号機の写真が出てきた。
当時、この時期の室蘭線本輪西以西での撮影で、ブルトレタイムの後の午前遅い時間の4091列車(当時)に加えて、午後早い時間の8051列車、8050列車と、日中時間帯に3本のDD51の貨物列車が撮影できることだ。
今こうして写真を見ると、改めて、
「いい時期に撮影に出ていて良かったなぁ。」
と、思うのです。
そういえば、この列車。ジャガイモ輸送専用列車なので、積まれるコンテナが全て通風コンテナで統一されているという特徴があり、編成の統一感を好む人にとっては、期間限定ながら、編成美が楽しめる列車なのだ。
この写真も、すでに10年以上前の写真なので、コンテナもひと世代前のV18系のコンテナがきれいに積まれていたことを写真からも見て取れる。コンテナブルーが懐かしい…。
ただ、この列車も、いまではV19系コンテナでまとめられているのだけど…。
tag : DD51
JR貨物北海道支社で唯一生き残ったDD511150号機(2)

(写真)「北斗星1号」(当時)と北舟岡駅で交換する3082列車(当時)の先頭に立つ1150号機。
室蘭本線 北舟岡にて。 2006年9月20日撮影。
EF300㎜ F/2.8LⅢ 1/500sec f:4.5 ISO:200 AWB 動体予測機能併用。
この日の朝は、前線を伴う低気圧が通過した後で風が強く、この歩道橋に立つのがきつかった。
天気があまり期待出来なかったので、北舟岡駅で3082列車との離合シーンを撮影しようと思いこの駅へ。
三脚をセットしてレンズを合わせたら、ほどなくして列車の接近放送が。
「北斗星1号」の通過にはまだ早いので、上り3082列車だ。室蘭方向の遠目からDD51が見えてきた。更新機だ。
退避側に入ってきたところからタイミングを計ってシャッターを切り始めた。
本来、朝から晴れたら、完全に逆光になってしまうのだが、曇っていたおかげで撮影できた。
この列車も、この頃の室蘭本線の貨物列車で本輪西以西で見られる貴重なDD51牽引列車の一つだった。
JR貨物北海道支社所有のDD51の現役時代の写真は、まだ紹介できると思うので、機会を見て紹介していきたい。
tag : DD51
北海道寝台特急最終章へ…。(2)

(写真)大気の状態がやや不安定だったものの、日没間際の長万部付近を定時で通過する「トワイライトエクスプレス」。
室蘭本線 静狩-長万部にて。 2014年10月8日撮影。
EF135㎜ F/2LⅡ 1/1000sec f:2.8 ISO:800 WB:10000K
古くからの定番ではある長万部Sカーブ逆サイド。
この場所も、午前の下り(反対側)、午後の上り向けの撮影地ではあるものの、上り列車に関しては、撮影したことのなかった場所だ。
一度でいいから、この場所は訪ねてみたかった。
しかも、この場所。周りに遮るものがないので、日没ぎりぎりまで撮影できる希少な場所の一つなのである。
今回の撮影旅行。特にこれまで余り撮っていない場所で寝台特急の撮影をメインにしたかった。
寝台特急が好きで撮影を続けている手前、
「寝台特急だけ。」
は、いいアングルで戴きたいのだ。
山並に雲がかからなければ、いい感じの夕日ギラギラになったんじゃないかとは思ったものの、この日は一日を通して、大気の状態が不安定で、山の稜線付近には、夕方になって雲がわいてきてしまった。
それでも、この場所を通過する通過する「トワイライト」を撮影できてよかった。
レンズも、あまり込み入ったレンズを使わず、S字の雰囲気と編成全体を掴める135㎜をチョイスしてよかった。
ここで300㎜とか使って詰めてしまうと、(表現の仕方としてはアリかとは思うけど。)編成全体で見た時に余り意味をなさないような気もするので…。
それにしても、この135㎜。いざという時にとてつもない表現力を発揮してくれるので、300㎜共々好きなレンズの1本だ。
やっぱり、何か特別な目的がない限り、(きちんと編成を記録したいと思うなら、)その長さに見合ったレンズを使うことが大事なような気がするのである。
確かに表現の仕方とか、その場所に立ってみた時の状況を考えた時に、最適なアングルで最適なレンズを選ぶことが大事ではあるのだけど、最後はあらゆるシーンで長く撮影してきた経験がモノを言うこともあるような気がするのである。
ここでも、ご一緒に撮影した皆様、お疲れ様でした。
tag : トワイライトエクスプレス DD51
JR貨物北海道支社で唯一生き残ったDD511150号機(1)

(写真)根室本線では、早朝通過(午前4時台です!)の2093列車(当時)をどうしても撮影したかった。
根室本線 古瀬-白糠にて。2006年6月2日撮影。
EF300㎜ F/2.8LⅢ+Ex.1.4× 1/250sec f:4.5 ISO:500
鷲別機関区廃区と共に運命を共にしたと思われた貨物所有のDD51。
しかし、1150号機だけが残されて、札幌(タ)で入換に従事している。
恐らく、これが最後の仕事になるだろう。
この機関車に関する私なりのエピソードを、何回かに分けてこのブログで紹介することにしよう。
1回目は、当時早朝に設定のあった根室本線の2本の貨物列車の中でも、特に早く到着する2093列車。
新富士到着が5時前のこの列車。撮影できるのは夏至の前後1か月が勝負になる。
しかし、この時期の道東、早朝はガスに悩まされて撮影どころではなくなることが多い。
この日は「夢空間」が早朝釧路まで入線の日。晴れたら、3時半には外が明るくなる。
「もしかしたら、2093レが撮影できるかも?」
前日。白糠で「まりも」(当時)を見送り、道の駅で車中泊。
翌朝3時40分。東の空が明るくなってきた。ガスはかかっていない。シメた!
「これはいけるぞ!」
車を走らせ、日の向きに合いそうなところを選んでロケ地を決定。
6月上旬の道東。車から降りるとひんやりする。
時間が迫っているので、取り急ぎカメラをセット。
やがて4:15を過ぎて踏切が鳴り出した。遠目からDD更新機が見えた。正面が輝いている。
タイミングを計ってシャッターを切った。
切り終わった途端に、この時間、この光線で撮影できたことに対するうれしさが込み上げてきた。
「2093列車を捉えるのは難しいと思っていたけど、撮れてよかった…。」
この後、移動しながら、「まりも」、「夢空間」、2095レを撮影したのは言うまでもないが、今見返しても、
「この光線で2093レが撮影できてよかった。」
と今でも思うのである。
道内での撮影では、旅客に限らず、貨物のDDに対する思いや、あらゆるシーンを組み合わせて撮影を続けてきた。
そういう思いをぶつけた結果を、こうして紹介するのが良かったりするのです。
くれなゐの時刻(とき)

(写真)日没・日の出前後の時間が撮影にはとてもいいのです。
室蘭本線 長和-有珠にて。2014年10月7日撮影。
EF300㎜ F/2.8LⅢ+Ex.2× 1/250sec f:22 ISO:100 WB:10000K 動体予測機能併用。
この日は、朝からすごくいい天気で大気が澄んでいた。
こういう日は、きれいな夕日が拝めるだろう…。
せっかくのきれいな夕暮れ時だから、この夕暮れを強調した列車の写真を撮ってみたかった。
それも、ただ撮るのではなく、
私の撮影スタイルを出した絵を…。
写真は、日没の20分くらい前に通過する上りの普通列車。
側面が夕日に照らしだされて、見事紅く染まった。
久しぶりに自分の思い描いたイメージと合致した。
カメラのプレビューを何度も見返してしまったのは言うまでもない。
やっぱり、日の出日の入り前の時間が好きだ。
この時間に通過する列車を、自分の思い描いたイメージと絡めて撮るのがいいのだ。
北海道寝台特急最終章へ…。(1)

(写真)到着した翌朝は、まさかの雨!しかし…、このアングルで「トワイライトエクスプレス」を撮影したかったのです。
室蘭本線 北入江(信)-有珠にて。2014年10月8日撮影。
EF300㎜ F/2.8LⅢ 1/640sec f:4 ISO400 AWB
早いもので、今年もあと2か月余りで終わってしまう。
年が明けると、いよいよ定期寝台特急運転終了までのカウントダウンが始まる。
自分の中で、
「好きな北海道寝台特急を北海道場面で見届けなくていいのか?」
とか、
「まだ撮影出来ていない場所、納得のいく写真が撮れていない場所で撮影しなくてもいいのか?」
「夏から北海道場面の「トワイライト」のHMが新調されたから一度見てみたい…。」
という思いがあった。
写真は10月7日入り、9日戻りの短期決戦で撮影したもの。
久々、1日中撮影ができたので、気持ちは高ぶってはいたものの…、
7日夜の天気予報を見ていて、天気図を見る限り8日朝の天気が微妙だ。
案の定、翌朝洞爺を過ぎたら雨だ。これは参った。
宇宙軒裏に車を止めて、ロケ地に向かうとすでに先客が…。
ただ、「トワイライト」の時間が近づくにつれて雨が上がった。
「これはイケるな…。」
時計は7:20を過ぎ露出が気持ち上がった頃、右上からDDの轟音と共に列車が見えた。
ピントを合わせなおして、合わせたところから撮影開始。
結果はご覧のとおり。
とにもかくにも、新調された「トワイライト」のHMがいい。「北斗星」等と同じ作りのHMになったのも良い。
以前はカラープリンタか何かで印刷したものを、元の鉄板のHMの上から貼り付けていただけだったから。
そして、S字の中を駆けてくるDD重連に牽かれる「トワイライト」客車が良い。雨上がりの湿っぽさも出ている。
さすが定番である。
天気はいま一つだったけど、もう天気がどうのこうのなんて言ってはいられないのだから。
このアングルで撮影出来たことが何よりも大きかった。
この場所でご一緒した皆様、雨の中お疲れ様でした。
tag : トワイライトエクスプレス DD51